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ペット健康情報コラム

2026.08.18

肉食の猫のおなかにも 菌のにぎわいがある 猫の腸内細菌の話

肉食なのに 菌がにぎやかという意外さ

猫はもともと肉を食べて生きてきた動物です。

そのため腸は比較的シンプルなつくりをしています。

それでもおなかの中をのぞくと、数百種ともいわれる腸内細菌がくらしています。

シンプルな腸に多くの菌がすむというのは、なかなか面白い組み合わせです。

どんな菌が多いのかを、まず全体像から見てみましょう。

猫の腸内細菌のおもな門ごとのおおよその割合を示した棒グラフ

猫の腸で目立つ菌の顔ぶれ

ある16S解析の例では、ファーミキューテスという門の菌が全体のおよそ7割近くを占めていました。

続いてプロテオバクテリアが14パーセントほど、バクテロイデーテスが10パーセントほどと報告されています。

残りをフソバクテリアやアクチノバクテリアといった仲間が分け合っていました。

これはあくまで一例で、食べているものや年齢によって割合は変わります。

猫のおなかの菌は、こうした複数のグループが折り重なってできています。

犬とくらべると見えてくるちがい

同じペットでも、猫と犬では腸内細菌の顔ぶれが少しちがいます。

総説によると、犬は猫にくらべてプロテオバクテリアの仲間が多めで、種類も多彩な傾向があるそうです。

猫は消化管がすっきりしている分、菌の構成もややシンプルにまとまりやすいと考えられています。

つまり「ペットのおなか」とひとくくりにはできないということです。

猫と犬の腸内細菌のちがいを比べたイメージ図

よく見つかる菌たち

もう少し細かい分類で見ると、猫の腸ではいくつかの菌の名前がよく登場します。

なかでもクロストリジウムの仲間が多いと報告されています。

そのほかにストレプトコッカスやバクテロイデス、エンテロコッカス、フソバクテリウムなどが挙げられます。

名前はむずかしいですが、これらが猫のおなかの住人だとイメージできれば十分です。

猫の腸でよく見つかる菌の属を並べたイメージ図

バランスがゆらぐこともある

腸内細菌の顔ぶれは、体調によって変わることが知られています。

たとえばある種のウイルスに感染した猫では、ファーミキューテスが増えてバクテロイデーテスが減る変化がみられたと報告されています。

糖の代謝に不調をかかえた猫では、バクテロイデーテスやプレボテラといった菌が減っていたという報告もあります。

ただし、これは菌のようすが変わったという観察であって、菌をととのえれば病気が治るという意味ではありません。

あくまで、腸内細菌が体の状態とつながっていることを示すヒントとして受け取るのがよいでしょう。

気をつけたいこと

腸内細菌の割合には大きな個体差があり、ここで挙げた数値もひとつの例にすぎません。

サプリメントや食事を変えるときは一度にがらりと変えず、少しずつ試すのが猫にはやさしい進め方です。

下痢や食欲の低下が続くときは自己判断せず、動物病院で相談してください。

腸活は健康そのものを保証するものではなく、日々の暮らしを支える工夫のひとつと考えると気が楽です。

出典

Shi Y, Peng G, Gebremariam AA, Iqbal MM, Baghaei Daemi H, Khan MA, Ullah R, Wang D. Analytical insights, modulation and compositional dynamics of the feline gut microbiota: a review. Animal Diseases. 2024; 4: 36. DOI: 10.1186/s44149-024-00140-z. https://doi.org/10.1186/s44149-024-00140-z