発酵食品を食べると、腸の菌はどうなる?ある研究がのぞいた腸の中
発酵食品って、体の中で何をしている?
ヨーグルトにキムチ、みそやぬか漬け。
世界にも日本にも、発酵食品はたくさんあります。
どれも微生物の力を借りてつくられ、独特の風味と酸味を持っています。
昔から親しまれてきたこれらの食品が、腸の中でどんなはたらきをしているのか。
それを正面から調べた研究があります。
二つの食べ方をくらべてみた
アメリカの研究チームは、健康な大人を二つのグループに分けました。
一方は発酵食品を多めにとるグループ、もう一方は食物繊維を多めにとるグループです。
そして数週間かけて、腸内細菌や体の状態がどう変わるかを比べました。

同じ「腸によさそう」といわれる食べ方でも、結果には違いが出ました。
とりわけ注目されたのが、発酵食品を増やしたグループの変化です。
発酵食品グループで見えた変化
発酵食品を多めにとったグループでは、腸内細菌の「種類」がふえました。
いろいろな菌がすんでいる状態を、専門的には多様性が高いといいます。
さらにこのグループでは、炎症に関わるいくつかのタンパク質が下がる傾向も見られました。

一方で、食物繊維を増やしたグループでは、この期間内では多様性の目立った増加はみられませんでした。
繊維が役に立たないという話ではなく、変化のあらわれ方や必要な期間が違う可能性がある、ということです。
研究はまだ発展のとちゅうで、これひとつですべてが決まるわけではありません。
「多様性」がなぜ大事だといわれるのか
腸の中にいろいろな菌がいる状態は、なぜよいと考えられているのでしょう。
イメージしやすいのは、一種類だけの畑より、いろいろな作物が育つ畑のほうが、天候の変化に強いという話です。

腸内細菌も同じように、種類が多いほど環境の変化に対応しやすいと考えられています。
発酵食品は、その多様性を後押しする食べ方の一つとして関心を集めているのです。
クロノーブが米ぬかを発酵させてつくられているのも、この「発酵」という力に注目しているからです。
知っておきたい注意点
この研究は健康な大人を対象にした一例で、人数も限られています。
発酵食品を食べれば誰でも同じ結果になる、と約束するものではありません。
また、特定の病気を治したり防いだりする効果を示したものでもない、という点は大切です。
発酵食品には塩分が多いものもあるので、とりすぎには気をつけたいところです。
体調に不安があるときは、自己判断せず、医師や、ペットのことなら獣医師に相談してください。
出典
Wastyk HC, et al. Gut-microbiota-targeted diets modulate human immune status. Cell. 2021;184(16):4137-4153.e14. DOI: 10.1016/j.cell.2021.06.019(https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(21)00754-6 / PMID: 34256014)
※本記事は上記論文の内容を、一般の読者向けにやさしくまとめたものです。細かな数値は用いていません。