肥満と腸内細菌の関係
最近は腸活という言葉も一般的になり、健康と腸内細菌が密接な関係があることに疑問を持たれる方も少ないと思います。2006年に公表された論文によりますと、接取カロリーの多い肥満者では、ある種類の細菌の割合が(Firmicutes/Bacteroidetesの比率)高く、カロリーの接取制限によって比率は減少することが示されました。また、肥満者では健常人に比べて腸内フローラの多様性が低く、高繊維成分の摂食を増やすと体重減少とともに腸内フローラの多様性が回復したという報告もあります。単に摂取カロリーを減らすだけではなく、腸内細菌の適切なコントロールがダイエット成功のカギとなります。
【参考文献】
1)Ley RE, Turnbaugh PJ, Klein S, et al :Microbial ecology:Human gut microbes associated with obesity. Nature 444;1022-1023, 2006
2)Le Chatel ier E, Nielsen T, Qin J, et al : Richness of human gut microbiome correlation with metabolic markers. Nature 500;541-546, 2013
3)野村秀明ほか : 腸内細菌と疾患. 神戸常盤大学紀要 Vol. 9,pp 1-12,2016