二型糖尿病と腸内細菌
肥満と二型糖尿に関連があることは知られていますが、肥満と腸内細菌に関連があるならば、二型糖尿病と腸内細菌にも関係があると想像される方も多いと思います。話は少し難しくなりますが、二型糖尿病患者の腸内フローラを調査した研究では、糖尿病ではない人に比較して、腸内フローラの乱れと腸内細菌やその菌体成分であるリポ多糖体(LPS)の血中への移行が多くみられ、これらは生体のインスリン抵抗性を増大(インスリンの効きが悪い状態)させ、糖尿病発症へと導くことがわかっています。 一般的に糖尿病の主たる原因は食べ過ぎや運動不足と考えられていますが、生活習慣の改善は誰にでも簡単にできることではありません。腸内環境の改善が糖尿病の治療、予防に活用されるようになると患者さんにとっては福音となりますね。
参考文献:野村秀明ほか : 腸内細菌と疾患. 神戸常盤大学紀要 Vol. 9,pp 1-12,2016