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コラム

2021.10.19

歯周病と全身疾患

口腔内には大腸について多くの細菌が棲息しており様々な役割を担っていますが、衛生状態や食事の影響により細菌叢のバランスが崩れるとう歯(虫歯)や歯周病を引き起こします。また口腔内の疾患のみならず、歯周病が糖尿病、動脈硬化性疾患、自己免疫疾患、悪性腫瘍など、様々な疾患リスクを高めることが明らかになってきました。そして、その発症は歯周病から全身疾患に直接作用するというよりも、歯周病が腸内細菌の乱れ(dysbiosis)を引き起こし、その結果として様々な疾患につながる変化が誘導されることがわかってきました。その一つの例として関節リウマチが挙げられます。歯周病と関節リウマチについては多くの研究報告があり、関節リウマチ患者において歯周病罹患率が高い、あるいは重症化することが示されています。しかし、そのメカニズムはよくわかっていません。一方、関節リウマチ発症に腸内細菌が関係していることがわかってきていますので、歯周病が関節リウマチの直接の原因ではなく、歯周病→腸内細菌の乱れ→関節リウマチ発症という仮説をもとに、いくつかの研究が行われました。その結果、この仮説が支持される結果となりました。これまで十分に説明することができなかった歯周病と関節リウマチの関連が、腸内細菌が関与することにより合理的な説明ができることになってきました。

【参考文献】山崎和久: 実験医学, Vol.37, No.2, 110- 117, 2019