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コラム

2021.07.19

精神疾患と腸内細菌

 精神疾患と腸内細菌が関連深いとは意外かもしれませんが、腸は「第二の脳」と呼ばれるほどの神経ネットワークを持ち、神経伝達物質であるセロトニンは、その90%が腸で産生されています。その密接な関連性が明らかにされるにつれ、腸内細菌と神経・精神性疾患との相関性もまた注目されてきています。

 その一つとして、自閉症スペクトラム(ASD:自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群)と腸内細菌についての関連性が注目されています。神経発達上重要な乳児期にある種類の細菌群の増加により神経細胞の発達・機能障害や免疫異常を引き起こす機序が報告されています。

 その他に、うつ病や認知症(うつ病性仮性認知症)と腸内細菌との関連性も研究されており、腸内細菌が脳を支配し性格にまで影響を及ぼすというサイコバイオティクスという考え方も出現してきています。心の病と言われていた病気までもが腸内細菌と関係があるということは驚きですね。


【参考文献】
1)野村秀明ほか : 腸内細菌と疾患. 神戸常盤大学紀要 Vol. 9,pp 1-12,2016 
2) 渡邊邦夫:自閉症スペクトラム障害と腸内ミクロビオータの変化 医学のあゆみ 251(1);113-121, 2014 辨野義己:腸内常在菌叢への介入―プロバイオテックスとプレバイオテックス 実験医学 32(5)25-30, 2014
3) Hsiao EY, McBride SW, Hsien S, et al :Microbiota modulate behavioral and physiological abnormalities associated with neurodevelopmental disorders. Cell 155(7)1451-1463, 2013