米ぬかは犬の腸で「善玉菌のごはん」になれる?試験管でのぞいた発酵のしくみ
犬の腸の中を、試験管でのぞいてみた
わたしたちと同じで、犬のおなかの中にもたくさんの菌がすんでいます。
その菌のバランスは、毎日の食べ物で少しずつ変わっていきます。
では米ぬかを口にすると、犬の腸内細菌はどんな反応を見せるのでしょうか。
イギリスの研究チームは、それを確かめるためにひと工夫した方法を使いました。
犬のうんちから腸内細菌を採り、試験管の中で米ぬかといっしょに育てたのです。
おなかに入れる前にまず試験管で反応を見るこの方法は、専門的には in vitro と呼ばれます。
米ぬかに「生きた菌」を足してみたら
研究チームは、米ぬかだけを加えた場合と、米ぬかに生きた菌を足した場合を比べました。
足したのはビフィズス菌の longum 05 と、乳酸菌の acidophilus という二種類です。
どちらも善玉菌としてよく知られる菌です。
結果を見ると、ビフィズス菌の longum 05 を足したときに菌の数が最ものびました。
数はおよそ24時間でピークをむかえ、そのあとは少しずつ減っていきました。
一方で乳酸菌の acidophilus は、しばらくすると数が減っていく動きを見せました。
米ぬかは、善玉菌のごはんになれるのか
ここで大事なのは、米ぬかそのものが菌の栄養になったという点です。
米ぬかには食物繊維がたっぷり含まれていて、腸の菌はそれを食べて発酵させます。
そのおかげで、善玉菌が元気に増える手がかりが見えてきました。
ただし米ぬかと生きた菌を組み合わせても、米ぬかだけのときをはっきり上回るほどの上乗せ効果までは見られませんでした。
それでも著者らは、米ぬかがペットフードのプレバイオティクス、つまり善玉菌のごはんになりうる材料だと結論づけています。
読むときに気をつけたいこと
この研究は試験管の中での結果であって、生きた犬に与えた実験ではありません。
体の中では消化や吸収など、試験管では起こらないことがたくさん起こります。
ですから「米ぬかを食べれば犬のおなかがよくなる」と決めつけることはできません。
それでもこの研究は、米ぬかと腸内細菌の相性を知るうえで大切な一歩です。
毎日の食事が腸の菌を育てるという考え方は、犬でもわたしたちでも変わりません。
クロノーブは米ぬかを発酵させた原料を使っていて、こうした基礎研究を土台に学びを重ねていきます。
出典
Ogué-Bon E, Khoo C, Hoyles L, McCartney AL, Gibson GR, Rastall RA. “In vitro fermentation of rice bran combined with Lactobacillus acidophilus 14 150B or Bifidobacterium longum 05 by the canine faecal microbiota.” FEMS Microbiology Ecology, 75(3), 365-376, 2011. DOI: 10.1111/j.1574-6941.2010.01014.x