米ぬかは発酵で「化ける」?眠っていたGABAが目を覚ますしくみ
米ぬかは、ただの「もみがら」じゃない
お米をつくときに出る米ぬかは、昔からもったいない存在と言われてきました。
じつは米ぬかには、食物繊維やミネラル、体にうれしい成分がぎゅっとつまっています。
そして米ぬかは、発酵させることでさらにおもしろい変化を見せてくれます。
韓国の研究チームは、米ぬかを発酵させてパン種、つまりサワードウをつくる実験を行いました。
使ったのは、自然の中にいる野生の乳酸菌と酵母です。
米ぬかを三つの段階に分けて、じっくりと発酵を進めていきました。

発酵させると、菌がぐんぐん増えた
発酵が進むにつれて、米ぬかの中では菌の数が大きく増えていきました。
発酵のあとには、酵母が米ぬか1gあたりおよそ2.1億個、乳酸菌がおよそ1.3億個まで増えていたのです。
たくさんの菌が米ぬかをすみかにして、活発にはたらいていたことがわかります。

眠っていた成分が、目を覚ます
菌がはたらくと、米ぬかの成分そのものも変わっていきました。
発酵が進むにつれて、GABAとポリフェノールがどちらも増えていったのです。
GABAはギャバとも呼ばれ、食品の世界で注目されている成分です。
これは、菌のはたらきによって米ぬかが新しい姿に変わったことを意味します。
同じ米ぬかでも、発酵させる前とあとでは中身がちがってくるわけです。
発酵は、眠っていた成分を目覚めさせるスイッチのようなものと言えるかもしれません。
読むときに気をつけたいこと
この研究は、パン種づくりという食品の分野で行われたものです。
GABAやポリフェノールが増えたことと、体への効果があることは別の話として考える必要があります。
成分が増えたからといって、健康効果があると決めつけることはできません。
それでも、発酵が米ぬかの価値を引き出すという点はとても興味深いところです。
菌の力を借りて素材を変えるのは、昔ながらの発酵食品にも通じる知恵です。
クロノーブも米ぬかを発酵させた原料を使っていて、発酵という自然の力を大切にしています。
出典
Kim S-Y, Kim K-J, Chung H-C, Han G-D. “Use of rice bran for preparation of GABA (γ-aminobutyric acid)-rich sourdough.” Food Science and Technology Research, 25(3), 399-404, 2019. DOI: 10.3136/fstr.25.399. URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fstr/25/3/25_399/_html/-char/en