皮膚のトラブルは「おなか」から?犬の腸と肌の意外なつながり
かゆがる愛犬、原因は皮膚だけじゃないかも
愛犬が体をかゆがっていると、つい皮膚の表面だけに目がいきます。
でも近年の研究では、皮膚の調子とおなかの中の菌が、思いのほか深くつながっている可能性が注目されています。
一見関係なさそうな「腸」と「肌」が、体の中では静かに影響し合っているかもしれないのです。
「腸と肌の連絡通路」ってどういうこと?
私たちの腸には、たくさんの細菌がすみついていて、食べたものを分解したり免疫のはたらきを支えたりしています。
この腸内細菌のバランスがくずれると、体の免疫の反応が変わり、その影響が皮膚にもあらわれるのではないか、と考えられています。
人のアトピー性皮膚炎の研究と、犬の皮膚トラブルの研究を見比べると、どちらでも腸内環境と肌のあいだに似たようなつながりが報告されています。
つまり肌の悩みは、体の外側の問題であると同時に、内側の環境ともつながっているというわけです。
腸の「かべ」がカギをにぎる
腸の内側は、体の中と外を分ける大切なかべの役目をしています。
腸内細菌のバランスが良いと、このかべはしっかり保たれ、余計な物質が体に入りこみにくくなります。
反対に細菌のバランスがくずれるとかべがゆるみ、免疫が過剰に反応して、かゆみや炎症につながるのではないかと指摘されています。
毎日のケアでできること
ここで大事なのは、腸をケアすれば皮膚の病気が治る、という単純な話ではないという点です。
今わかっているのは、腸内環境と皮膚の状態には関わりがありそうだという「研究段階の手がかり」までで、はっきりした結論が出ているわけではありません。
それでも、バランスの良い食事や規則正しい生活で腸内環境を整えることは、愛犬の毎日の健康を支える土台になります。
米ぬか由来の食物繊維や生菌をふくむサプリメントも、そうした腸のケアを助ける選択肢のひとつとして活用できます。
気になるときは獣医師へ
皮膚をひどくかゆがる、赤みや脱毛が続くといった場合は、自己判断で様子を見すぎず、動物病院で相談してください。
アトピーをふくむ皮膚の病気は原因がさまざまで、正しい診断と治療は獣医師にしかできません。
腸のケアはあくまで日々の健康づくりの一部として、無理なく取り入れるのがおすすめです。
出典
Craig JM. Atopic dermatitis and the intestinal microbiota in humans and dogs. Veterinary Medicine and Science. 2016; 2(2): 95-105. DOI: 10.1002/vms3.24(PMID: 29067183)